こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。
少し前に「悪徳トイレ業者」が話題に上がっていたのを覚えていますか?
トイレの詰まりなどで修理を頼むと、悪徳業者に高額請求されるという話でした。当時SNSやテレビの情報番組を観て「ふーん、気をつけないとなあ」と思っていたのですが。
先日、トイレが詰まりました。
今回は、この件から私が学んだ「最大の自衛は知識」ということについて紹介したいと思います。
特に賃貸マンション・アパートの方は「何かが壊れた」「修理が必要」という時に無駄なお金を払わぬようになりますし、持ち家の方であれば自分達で交渉するコツが身につきますよ。
トイレが詰まった原因
異物を落としたわけでもないし、大量のトイレットペーパーを使用したわけでもないのですが、ある日突然、ゴボゴボして詰まっているような様子でした。ラバーカップを使用しても、お湯を流しても解消されませんでした。
というわけで、ついに我が家にもトイレ修理業者に依頼しなければならない事態がやってきました。
悪徳業者こわいよー!ガクブル
悪徳業者を回避する方法
賃貸の場合
うちのマンションは賃貸なので、こういう時に管理会社を通せるのはありがたいです。悪徳業者にヒットする確率はこれだけでだいぶ下がると思います。大家さんの場合も同じですね。
持ち家の場合
もし持ち家などで自分で修理業者を探さなければならない場合、最も良い方法は周辺地域で頼んだことのある人に聞くことです。都心は隣人とコミュニケーションをとることが少ないかもしれませんが、近隣区の同僚や友人、ママ友と普段から「トイレ詰まったことある?」「壁紙はがれたことある?」なんて情報交換しておくと良いですね。
もし誰もいなければ、ネットで検索し口コミ評価の良いところにお願いするのが良いと思います。
電話口での料金説明に注意
私の場合はまず管理会社に状況をヒアリングされ、「もし借主に過失があったら借主の負担になる」旨念を押されました。
過失について詳しく聞くと「異物を落としてしまった時など」という回答だったので、それは多分ないだろうと安心してお願いしました。ただ、これが後に交渉の焦点となりました。
ともあれ、その管理会社から繋いでくれた修理業者から連絡が来ました。
ここでの注意点は電話口での料金説明です。電話受付のハキハキした女性から出張費4千円、軽めの詰まり解消7千円、など口頭で見積りを教えてもらいましたがけっこう早口でした。
私はその時聞き流していたのですが、実際に来たのは下請けのさらに下請けの業者さんになるので、彼らは料金表などは持っていませんでした。なので、電話口でしっかり確認する必要があったな、と後から反省しました。
借主の過失になるのか?
作業はすぐに終了
業者さんはありがたいことにすぐに来てくれて、幸い最も軽い処理だけで詰まりが解消されました。
どうやらラバーカップで処理できる軽度の詰まりだったようなのですが、うちの便器がデザイン重視で無駄に複雑構造だったようで、市販のラバーカップが合わない形状だったようです。
異物が引っかかっている場合は、もっと複雑な手順(=高額修理)になっていた可能性が高いとのことでした。
ここで問題になるのは「この場合、借主の過失はあるのか?」という点です。
通常の注意義務を果たしていたか
管理会社からは「過失がある場合は全額借主負担」である旨を事前に伝えられていました。当然ですね。
ただ、どこまでが過失なのかは難しい問題です。
ボールペンなどを落としたなら借主の過失というのはわかりやすいですが、たいていはトイレットペーパーが詰まるらしいです。でも夫婦ともに大量に流した覚えはない。トイレ掃除だって毎日しています。この場合は果たして過失に当たるのでしょうか?
夫いわく「通常の注意義務を果たしていれば無過失でしょう。そしてトイレットペーパー以外のものを流していないのであれば注意義務は果たしているでしょう」と言っていますが、実際はどうなのでしょう?
管理会社からの回答を待ちます。
管理会社からの回答
回答が来ました。結論、貸主負担となりました。
やったー。ありがとう不動産会社さん
ただ、少し間違っていたら、私がうまく丸め込まれていたのは確実でした。振り返って、夫婦でナイスプレーだった点を記します。
その場で現金払いにしなかった
まず、修理業者の電話受付の女性からは「普通はその場で現金払い」と聞いたのですが、そんなわけありません。
貸主か借主、どちらが支払うのかを業者が見てみないとわからない以上、後払いの選択肢があるはずです。後日請求書での対応でお願いできないか聞いてみると「まあ原因を見てみないとですねー」と流されました。
上記のやりとりで少し怖くなり、夫に相談すると「このあとは自分が電話対応するよ」と言ってくれました。夫はおバカな私よりずっと論理的なので、こういう時は本当に助かります。
交渉ごとを引き受けてくれるって、頼もしいよね
後から振り返ると、もしこの時に私が修理が終わった場で直接支払っていたら、その後の交渉はまず無理だっただろうと思います。
「普通は」「たいていは」というワードに注意
結局のところ、この手の過失に明確な基準はなく、貸主と借主が交渉できるグレーゾーンのようでした。
修理業者は管理会社から仕事をもらっているので、どちらかというと貸主側に立ちます。そのため借主には、うまい具合に「こちらの支払いになるんだな」と思わせるよう誘導します。ですが、法的な観点からのマニュアルもあるので、決定的な嘘などはいいません。
その場合、注意しておくのは「普通は」「たいていは」という言葉です。
実は私はまさに最初に「たいていこういう場合は、借主のみなさんが払っていますね」のような言葉を聞いて「そうなんだ」と思ってしまいました。
でも夫はその話を聞いて、逆に「その言葉しか出ないということは、明確な基準を提示することはできないのだ」と思ったというのです。
夫の交渉が上手すぎた
今回は以下を夫が電話で説明し、貸主負担になりました。
最初は「ふつうは、たいていは」とぬるっと支払わせようとしていた貸主側でしたが、夫の論理を挟むとあっさり判断が逆転しました。決してごねたとか、強行に主張したわけはありません。
具体的に夫が淡々とお伝えしたのは、以下の通りです。
- 契約書に設備の不具合については「貸主負担」と記載がある
- 通常の注意義務を果たしていれば、無過失となるはず
- 事前に過失とは「異物を落とした場合」と聞いている
- 毎日きちんと掃除もしている状態で、トイレットペーパーを大量に流したこともない
- 以上、借主側の注意義務は十分果たしており、過失にはあたらないのでは?
これを言われてあっさり結論が変わったということは、つまりもし夫が交渉しなければ、こちらの支払いになっていたということです。これってとても怖くないですか?
電話口で焦る場合
上記の方法は、夫が冷静で論理的なタイプだからできることで、残念ながら頭の回転の遅い私には不可能だったと思います。
もと営業なのに電話対応が今でも苦手だよ
さらに、相手はこの道の交渉のプロですので、こちらより何枚も上手のはずです。
もし私のように口頭での交渉事に苦手意識がある方でしたら、まずは落ち着いて上記のように主張や事実を箇条書きにしておくと良いと思います。
そして、もし可能なら電話ではなくメールでやりとりしましょう。履歴も残りますし、考える時間がることで丸め込まれる率は低くなると思います。(ただ、ほとんどのところが電話対応のみのような気がします・・・)
まとめ
以上、私たちが経験した「トイレの詰まり」事件簿でした。
「ふつうは」「たいていは」というワードが出たら要注意!
本当にそうなの?みんながそうだとして、この場合は合理性がある?といちいち疑問にすることが大切です。
また、詐欺とまでいかないケースでも、このように知らなければふっかけられたり、知っていれば防げたりすることって世の中にたくさんあります。節税なんてまさにその典型ですよね。知識がある人だけが得をします。節税はずるいことではなく知識での工夫なのです。
私はこの経験でお金は増やすことと同じくらい、守ることも大切だということを身にしみて学びました。そして、それにはやっぱり情報を収集しようとする地道な努力が重要なのだと改めて思いました。
大切なのは、情報弱者にならない努力をし続けること。何らかのカモになるのは、どの時代も情報に疎い人たちです。
情報の差でカモにならないよう、気をつけようね。