【小説|BUTTER】歪んだ認知の先には、孤独しかない。

ミニマルライフ

こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。

ひっさびさに、小説を1冊読みました。

自由でいることって、難しいんだなあ。

女性であること、容姿への呪い、男性との付き合い方、などなどいろいろ考えさせられました。

そのなかでも私が興味深かったのは、「事実を改ざんしていく悲しきモンスター」の女性・カジマナの描写でした。

今回は、「独りよがりの歪んだ認知の先には、やはり孤独しかない。」についてお伝えします。

※少しネタバレあるかもしれません。

小説「BUTTER」を読みました

こちらは、夫から「面白かったよ。」とお薦めされていたものの、私がゲームに夢中で放置していたうちの一冊でした。

私はオタクのため同時並行ということができず、一度本を読んだら止まりません。

というわけで、ゲームクリア後に1ページをめくってみたら、そのまま1日で一気に読んでしまいました。

久々の小説、面白かったです。

小説「BUTTER」あらすじ

あらすじは、こんな感じです。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ――。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。

お気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、実際の事件が下敷きとなっています。

男性3人を殺害した、木嶋佳苗の事件をモチーフに描かれた小説です。

夫が教えてくれたのですが、この本はなぜかイギリスで人気だそうです。不思議。

私が面白かったのは、木嶋佳苗がモデルになった梶井真奈子(カジマナ)の生まれ育った土地が、自分の育った場所にそっくりだったことです。

都会にはない閉塞感がリアルだった

うまくお伝えできず申し訳ないのですが、閉塞感のある雪国の田舎の雰囲気が、私の記憶と重なりました。

おそらく年代が一緒だからだと思いますが、当時援助交際が流行していた雰囲気とかもリアルすぎる。

退屈な日常で、自分が主人公になれるような刺激を求めるものの、理想と現実には乖離がある。

そのため、現実から離れるためにゲームや創作活動に没入する子もいたし、わかりやすく認知を改ざんしている子もいました。

私含め多くの子は前者でしたが、一方で「自分は特別」と周りを見下し、自分の世界に逃げる子もいました。(プライドが高く虚言癖があるので、まわりからは距離を置かれてしまう。)

カジマナは、そんなふうに認知を改ざんし続けた、悲しきモンスターなのだと思います。

都合のよい思い込みも、ほどほどならアリ?

若くも美しくもないカジマナですが、御しやすいと判断した人の前では自信満々だし、相手を掌握するスキルもあります。

一見自己肯定感が高く見えるのは、おそらく子どもの頃から、事実を自分の都合のよいお姫様ストーリーに改ざんしてきたから。

もちろんカジマナほどではないですが、自分にも共通する性質がちょっとはある気がします。

自分に都合の良い思い込みは、そのままにしている。

ただ、それもバランスの問題で、振りきってしまうと危ないのだなと感じました。

認知の改ざんは楽だけど、孤独になる

認知が歪んだままで一生を終えられるなら、それで幸せじゃないか。

これがカジマナという人物像の、根幹にあるものだと思います。

ですが、私は独りよがりの歪んだ認知の先には、やはり孤独しかないと思うんですよね。

これは、私自身に認知の歪みがあったときに、運良く叱ってくれる大人がいたため、気づけたことです。

これは恥ずかしいことだ。このままだと破滅する。と我に返ることができました。

結局、まわりにどれだけそういう繋がりがあるかで、人はモンスターになることを防げるのかなと思いました。

私も独りよがりにならぬよう、人との繋がりもほどよく作って、柔軟に謙虚に生きていきたいなと思います。

まとめ

以上、「独りよがりの歪んだ認知の先には、やはり孤独しかない。」についてお伝えしました。

改めて、今回紹介した小説「BUTTER」はこちらです。(電子書籍を貼っておきますね。)

読んだことのない方にとっては、なんのこっちゃという話ですみません。

例の事件について興味がある方はもちろん、全く知らない方もミステリーとして面白いと思いますよ。

あと、バター醤油ごはんが無性に食べたくなります。

【関連】お恥ずかしいかぎりですが、私に認知の歪みがあったときの話はこちら。

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