こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。
先日「六本木クラス」というドラマの撮影風景に出会わないかな?とこちらの記事に書いたのですが、あれから連日のように遭遇するようになりました。
平手友梨奈ちゃん、かわいかったー!
ドラマの撮影って早朝からたくさんのスタッフやエキストラが関わっているので、その現場を通り過ぎる時には、いつもひとりで胸を熱くしています。
というのも、私も業界は少し違うものの前職がディレクターだったので、「この規模の撮影の工程と予算の調整を何人でまわしているんだろう」と想像してしまうから。
テレビ業界って、きっとまだまだ過酷な環境と聞くので、私が想像するより大変なんだろうなあと思っています。
私が最初にそう感じた出来事は、テレビ出身の元AD田中くん(仮名)が自分の後輩メンバーとなった時。
人って教育環境次第で180度変わるんだなと実感した出来事でした。
今回はこのことについて綴ります。ぜひ、皆さんには
- 私の立場
- 田中くんの立場
両方の視点で読んでみていただきたいです。
テレビAD出身のディレクター
田中くんは20代後半で、とある主要テレビ局のバラエティ番組のアシスタントディレクター(AD)をしていたという経歴でした。
もっとスキルアップしたいということで、業界を少し変えてディレクター職として、うちの会社の契約社員に応募したとのこと。
私が見る限り、人当たりの良い素直な男子でした。
私の指導にはいつも「はい!」と笑顔で答えていて、他の先輩の指示にもテキパキ動く子でした。
自分が納得しないと動かない、逐一指示しないと動けない、という人材も多い中、周囲の評判では「田中の機動力はすごい!」という高評価だったと思います。
さすがテレビAD出身、伸びがすごいなあと感心していたのですが、ディレクターとして独り立ちした瞬間に、問題が発生しました。
パートナー業者への態度がひどい
ディレクターという仕事は、ライターさんやデザイナーさんなど、たくさんのパートナー業者を繋いで一つの作品を作る、いわば司令塔のような存在です。
そのため、いかに全員に気持ちよく仕事をしてもらうかという視点で、環境を整えることが重要だったりします。
個の力を尊重しつつ、良いチームの相乗効果でそれ以上の作品を生み出すことが、一流ディレクターの手腕です。
そんな中、とあるデザイナーとの電話でのやりとりで、田中くんは突然態度を豹変させました。
「納期2週間とお伝えしましたが、クライアント都合で5日になりました。は?できなければ支払いませんよ。プロですよね?やってください。」
私は独り立ちした後輩の仕事に口を挟むことはほぼしませんが、この時ばかりは「まじか」とつぶやきました。
そして、彼が電話を切った瞬間に、別室に呼びました。
彼はなぜ豹変したのか
何度も言いますが、彼は私や他の先輩に対しては温和で素直で、何の問題も感じられませんでした。
そのため、その電話のやりとりでは「家庭に帰ったら突然暴力を振るうDV夫」といった豹変ぶりでした。
これでは大切なパートナーさんを失ってしまうどころか、訴えられる可能性だってあります。
しかし驚いたことに、彼の中ではこの行動の何がいけないのか、全く理解していないようでした。
原因は教育環境の違い
私は田中くんに1時間近くヒアリングし、どうしてこのような行動をとるのかを丁寧に拾っていきました。
ちなみに、彼が理解していない以上、ここで叱るのは得策ではありません。
根本的な原因が潜ってしまう可能性があるからです。こういう場合は、慎重に原因を探っていくべきです。
田中くんから聞いてわかったことは、前職での育てられ方が180度違ったことでした。
彼は前職のテレビ業界で、先輩ディレクターから学んだ以下の教えを、従順に守っているだけだったのです。
- 下請けには強く出ろ。交渉には勝て。
- 先輩やタレントさんには絶対服従。言われたことは何でもしろ。
- 自分が受けた教育はそのまま下に伝達。
この話を聞いてやっと、彼が私たち先輩の言うことは素直に聞き、パートナーさんには高圧的に出る理由がわかりました。
彼にとっては、これが当たり前だと教わった仕事の仕方だったのです。
業界が違うことを丁寧に説明
私はこのことについて、どこまでが業界特有のものなのか、彼の個の話なのかの判断はつきませんでした。
でもなんとなくですが、彼自身の本質は悪人ではない気がしました。
ただし、この負の連鎖はここで徹底的に止めなければ、誰も幸せになりません。
少なくとも彼に後輩ができたら、完全なパワハラ先輩になるパターンです。
そして悲しいことに、彼自身がそのパワハラを当たり前に受けてきた人材なのです。
そこで、私は組織のリーダークラスにこのことを共有し、全員でことあるごとに「テレビ業界のやり方とここは違う」と教えました。
そして、彼の下には数年間後輩はつけませんでした。
彼は先輩の言うことは絶対服従という育てられ方をしていたので、意外にも軌道修正はあっさりできました。
思考の根本を変えることができたならば、やっぱり彼は優秀な人材でした。
彼は今ではディレクターとして立派に活躍しているそうです。
人材は育てられ方で180度変わる
この件から私が学んだことは、人は育てられ方で人生が決まるということです。
彼は20代でしたが、もしこれが40代だったら、あの仕事のやり方を途中で変えるのは容易ではなかったはずです。
教育って洗脳なんだな、と改めて恐怖を感じました。
自分が誰かを教育する場合
もし皆さんが、人に何かを教える時は
- 彼らのその先の人生で使える考え方か
- 彼らがどの世界に行っても恥ずかしくない教えか
を、判断軸のひとつにしましょう。
私はこの経験を通じ、このことを強く意識するようになりました。
自分が教育環境に恵まれていない場合
もし皆さんが教育を受ける側で「自分は環境に恵まれていない」と思ったのなら、
- 意識的に反面教師にする
- 別の教育環境を探す(転職・異動・副業)
など、どんどん外の世界と比較しましょう。
仕事での学びは、その先の人生にも大きな影響があります。時代によっても正しさがどんどん変わります。
ぜひ、一度立ち止まって自分の環境について見直してみてほしいなと思います。
まとめ
以上、人材は育てられ方で180度変わるという私の体験談でした。
実際にテレビ業界がどういうところなのか、私にはよくわからないので批判するつもりはありません。テレビ業界のADというより、彼の周囲だけの環境だったのかもしれませんしね。
そして、仕事でもそうですが、これが子どもの家庭環境だと思うと、もっと根が深くなりますよね。
しかし、私はいつも思います。
田中くんと同じように、人生は思いたったところから何度でもやり直せます。
教育は親や先輩から与えられるものが大半だけれど、自分で自分に与えることもできるのです。
私も田中くんのように、他の人から間違っていると指摘されたり、自覚した瞬間に、謙虚に周囲を見渡して軌道修正できる人間でありたいなと思います。それでは♪
【関連】よろしければこちらもどうぞ。