こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。
先日「朝が来る」という映画をAmazonプライムビデオで鑑賞しました。
評判が良かったので鑑賞リストには入れておいたのですが、なんか重そうだしなあ、とためらっていました。永作博美さん主演の「八日目の蝉」も素晴らしい作品なのはもちろんですが、やっぱり数日引きずりましたからね・・・。
さて、観終わった感想は、やっぱり「素晴らしいの一言」でした。観てよかった!
今回は実際の不妊夫婦からみた、この映画の感想を綴ります。もし、こういった話題が心ざわつくといった状態の方がいたら、無理せずとばしてくださいね。
浅田美代子さんの演技が圧巻!
「役積み」という疑似体験を積み上げる手法ということもあり、全キャストの演技が本当に素晴らしかったです。
私が特に心に残ったのは、浅田美代子さん。
出番が多いわけではないのですが、あの役はこの物語の肝なんですよね。愛があるのに押しつけがましくなく、人との距離感もすばらしい。
私は勉強不足のため、浅田さんを昔のバラエティ番組や、保護動物ボランティアの分野でしか知らなかったので、女優さんとしてこんなに素晴らしい演技をする方なのだと初めて知りました。
あと、なんとなく雰囲気が樹木希林さんに似ていたので、一気にファンになっちゃいました。(私が樹木希林さんを好きなことに気づいた話はこちら↓)
不妊夫婦の表現もリアル
原作は読んでいませんが、映像で見る不妊夫婦の描写も素晴らしかったです。(以下、ネタバレあります。)
特に、前半の井浦新さんの無精子症の告知のシーンなんかは、私たちも全く同じ場面を経験したので(夫は無精子症です)、まじでデジャブかと思いました。その後、テレビで流れた特別養子縁組のドキュメンタリーを夫婦で観る空気感も全く同じでした。
私は自分が子どもを欲していたわけではなかったので、この夫婦の苦しみとは少し違うかもしれませんが、空港で井浦さんが泣き崩れた時の気持ちは本当によくわかります。治療って精神的なことを含めて本当に孤独で辛いものです。
さらにいうと、私の夫は井浦さんと自分が重なりすぎて、苦しくて観られないんじゃないかなあと思いました。ちなみに井浦さんといえば、我々夫婦世代にとっては超カリスマモデルなので、時を経てこういう役をやられているのも感慨深いです。
特別養子縁組について
私たち夫婦の場合ですが、夫も映画の井浦さんと同様に、特別養子縁組についていろいろ調べていたようでした。しかし、結局その説明会などに参加することはありませんでした。
なるほどと思ったのは、映画の中でこれらの制度が「親が子どもを探す」ためのものではなく、一貫して「子の未来を守る」という基本姿勢だったこと。
本当にその通りだな、その通りであるべきだな、と思います。
子をほしいと思う気持ち
さて、私は自分が小さな頃から現在まで、ずっと不思議に思っていることがあります。この映画を観ても、やっぱりその点はよくわからなかったです。
それは、子どもをほしいと思う気持ち。
見たことや触ったことのない存在を欲しいと思う気持ちが、私にはよくわからないまま現在に至ります。
私が思うのは、自分の欲することに理由なんて求めなくていいということ。
「子どもがほしい」と同じくらい「子どもを持たない」ことにも、明確な理由はなくて良いのです。
大切なのは、自分たちが幸せでいること。本当にそれだけのことなのです。
自分の価値観を大切に
夫婦にとって「子を持たない」ということは、なにやら一大事のように見られることが多いです。(この映画でも不幸感が漂いまくってましたしね。)
でも、私は自分が子どもの時と変わらず好き放題やって、そのまま死ぬのが理想です。
そのため、「夫婦は皆、子育てしたいはず」みたいな価値観にはときどき息苦しさを感じつつ、やっぱり私は自分が楽しいと思う人生を優先しようと思っています。
まとめ
望まない妊娠をすること、子を育てるということ。偏見とステレオタイプの価値観。その世界で人に寄り添う温かさ。いろんな角度から「あれは自分だ」と思える素晴らしい作品でした。
私個人としてはやはり、自分は浅田美代子さんの役のような、人の深みを知りながら押し付けがましくなく、この世の痛みに寄り添える人になりたいなと思います。
そして、もし不妊治療を断念した方がいたら、その経験は決して無駄にはなりません。
世界に深みが増し、人に優しくなり、そして今ある人生をもっと楽しめるようになります。今後の幸せを応援しています。
多様性ある世界になりますように♪
【関連】こちらの記事、思いのほか反響が大きいです。もし興味あればどうぞ。