こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。
先日、私の父方の祖母が亡くなりました。98歳の大往生です。
そして、なんとなく質素な暮らしをしているイメージだった祖母に、600万円もの遺産があることがわかりました。
今回はこの遺産分配の話を紹介したいと思います。
皆さんも自分の死後、遺産を残すべきか、どう配分するか、考えるきっかけになるかもしれません。
祖母はシングルマザーの海女さん
祖母は遠方に住んでいたため、私は小さな頃に田舎に遊びに行ったり、たまに電話をする程度でした。
そして、祖母はあまりに方言が強いので、私には何を言っているのか8割くらい理解できませんでした。
チャキチャキした雰囲気の、気が強くて丈夫そうな祖母でした。
一方私の母は、都会の新聞社で一般職として働いていた、いわばキラキラOL女子。
田舎の古くさいしきたりが嫌で、父に相談(懇願?)してその土地には住まなかったそうです。
このことについては、長男だった父には申し訳ないけれど、子どもながらにナイス母!と思っています。
自分の人生を幸せにするためには、周囲に合わせるより、主張を突き通すべき時があります。
死後に遺産が判明した祖母
そんなわけで、私自身は祖母の土地にはなかなかご縁がなかったのですが、祖母は母にも私たち孫にも温かい人でした。
祖母は戦争で夫を亡くし、海女として働きながら、5人の子どもを一人で育てきりました。
家は貧乏だったようですが、子どもたちは立派に成長しました。
そんな祖母の死後、父たち兄弟5人は驚きました。
なんと、遺産が600万円ほど残されていたのです。
遺産は戦時中からコツコツ貯めた蓄え
どうやらその中身は、戦時中からコツコツ貯めたものらしいです。
夫の遺族年金なども含まれていたのかもしれません。
私はてっきりおばあちゃんは貧乏だと思っていたので、その話を聞いてとても驚きました。
そして、この話が素敵なのはここからです。
なんと、兄弟全員がそのお金を「自分以外でわけてほしい」と譲り合ったそうです。
そして結局、何の諍いもなくきっちり5等分することになりました。
きょうだいが数年ぶりに集合
遺産分配するには、兄弟全員の同意が必要です。
そのため、全国各地に散っていた兄弟が、数年ぶりに全員集合し、家族の思い出話を語り合ったそうです。
この話を聞いて、孫である私は、
おばあちゃんの残したかったものはお金ではなく、きっとこういう息子たちだったんだろうな。
と、しみじみ思いました。
遺産は少額ほど揉める
たかが数百万円で揉めないだろうと思われそうですが、実は少額ほど揉める傾向にあります。
2016年の統計によると、家庭裁判所にもちこまれた遺産分割に関する案件では、5000万円以下が3/4、さらに全体の3割が1000万円以下なのです。
数百万円を争う親族!ガクブル
富裕層は事前にしっかり相続対策をしていますが、庶民はそうではないということかもしれませんね。
祖母も同じで、さらに歳をとって「相続」に関する手続きなんて、考えもしなかったのではないでしょうか。
ただし、祖母が遺したのは、お金以上に価値あるもの。
それは、お金に執着しない子どもたちでした。
お金に執着しない子どもたち
父を含む兄弟たちは、毎日休まず海にでて働く祖母の背中を見て育ったので、全員がとても勤勉です。
そして、貧乏ながら地域ぐるみで温かい人たちに育ててもらったので、
- 人と触れ合う
- 人と助け合う
- 人に与える
ことについて、強固な軸があるように思えます。
祖母がこの世に残したものとは
そんな彼らにとっては「お金」は執着するものではなかったようで、今までと同じく、譲り合う精神で分け合いました。
多分本人たちには当たり前のことすぎて、すごいと言われてもわからないと思います。
でも、少し離れた場所にいる私には、祖母がこの世に残したものの素晴らしさがよくわかります。
よく「お金より大切なことがある」という言葉がありますが、初めてそれが鮮やかに理解できました。
親の背中を見て育つって、きっとこういうことを言うのですね。
私は父と、父を育てた祖母のことを心から尊敬し、自分もそうありたいなと思いました。
まとめ
以上、祖母の相続エピソードでした。
父方の親族は決して金銭的に裕福ではないのですが、勤勉かつ楽観的な人生を送っている人が多いです。
そしてこういった人生観って、今の閉塞感のある日本に必要なものじゃないかな、となんとなく感じています。
祖母の背中を見て育った息子。さらにその息子である父の背中を見て、私が育っています。
私は祖母や父のように、お金に欲深くならず、嫌いにもならず、楽観的に生きたいです。
そして私の場合は子どもがいないので、誰にも迷惑をかけずに資産±0でこの世を去るのが理想です。
みなさんは遺産について考えたことはありますか?
子どもたちやこの世に何を残したいか、もしくは残さないか、ぜひ考えてみてくださいね。それでは♪