こんにちは。好きなことでゆるく働き、都心ミニマルライフを楽しむもふもふです。
先日21歳の大学生と食事をする機会があったのですが、彼から将来が不安だという話を聞きました。
どうやら就職活動の下調べをしたところ、「1000万円を稼げる企業って意外と少ないんだ」と不安に感じたとのこと。かといって、彼は他に進みたい道も特にないので、自分の将来が不安という話でした。
実は私も彼と同じ21歳の頃は、全く同じように思っていました。
日本の会社で働くことについて、希望を見出せなかったんですよね。
ただ、私はその頃に暮らしていたロンドンで、大きな気づきがありました。
その気づきとは、日本で働けること自体が恵まれているということ。
今回はロンドンで私が出会った新しい価値観についてご紹介したいと思います。
21歳で渡英した理由
私は21歳の頃に、特に理由もなく単身で英国に移住しました。
いまだになぜそう思い立ったのか謎なのですが、きっと当時の日本に鬱屈したものを感じていたのでは、と思います。
どういうわけかロンドンで暮らすと決め、キャバクラでお金を貯めて飛び立ってしまいました。(その時の話はこちらにありますので、興味ある方はどうぞ。)
そして、とある事情で帰国することになった後は、厳しい働き方で有名な企業に就職しました。
私が日本企業で働くことにしたのは、ロンドンで出会った友人の一言があったからでした。
ロンドンの友人は隣国から脱出した移民だった
私が渡英した頃は、周囲の国々から多くの移民がロンドンへ流れてきていました。
ほとんどが、自国では給与が極端に低いもしくは仕事がないという理由でした。
私は世界経済や政治については全くの無知でしたが、自分の肌で感じる限り、彼らの経済不安に対する危機感は相当のものだったと思います。
生き抜くための深刻度が違う
私が彼らの存在に気づいたのは、語学学校での習得スピードが他の集団と比べて著しく早かったから。
彼らの特徴は、勤勉で優秀であること。
いわゆる「留学生」の数倍のスピードで、ビジネス英語を習得していったのです。
考えてみれば当たり前です。彼らにとって英語が使えるかどうかは、この先食べていけるかどうかに直結することでした。
気楽な留学生とは、生き抜くための深刻度が違います。
私も何かあれば自国に戻れるお気楽集団の一人だったのですが、英国移住を目的とする共通点があり、彼らとは自然に仲良くなりました。
マクドナルドで働きながら学校に通う友達
そのなかでも特に仲の良かった友人は、22歳の女の子でした。
マクドナルドで忙しく働きながら、学校にも通い、先生に熱心に質問する真剣な子でした。
彼女も、内戦を繰り返している国から逃げてきた移民でした。
戦争自体は終わっていたものの、国を立て直すのに時間がかかっているため、将来が見通せない。
自分は一刻も早く豊かな暮らしをするためにロンドンに来たのだ、と教えてくれました。
私が衝撃を受けた、彼女の夢
私たちは他の留学生と違ってお金がなかったので、ハイドパークという公園に行ってはただ寝転び、英語の勉強がてら、いろいろな話をしました。
彼女は私と違って政治に関する知識も豊富で、好奇心旺盛。
勉学において優秀であることは、少し話しただけですぐにわかりました。
そして、ふと彼女の夢を聞いた時に、私は衝撃を受けました。
彼女はキラキラした目で、こう話したのです。
「私の夢はいつか、椅子に座って綺麗なデスクで、コーヒーを片手に仕事をすることなんだ!」
彼女の夢はオフィスワーク
彼女が輝いた目でうっとり語っていた夢は、具体的にはこういうことでした。
- ワーキングチェアとマイデスク
- コーヒーを片手にメールをチェック
- ハイヒールと白いシャツという格好で出勤
- デスクには自分の好きな本や小物を並べる
要は、いわゆるブルーカラー(肉体労働者)ではなく、ホワイトカラー(オフィスワーカー)になりたい、という夢でした。
私はこの回答に衝撃を受けました。
なぜならそれは、もし自分が日本に帰国したら、当たり前に手に入る暮らしだったからです。
なぜ彼女の夢に衝撃を受けたのか
私よりずっと優秀で博識な彼女ならば、夢といえば、
- こういう業界で働きたい
- 年収はいくら
- 結婚や子ども
など、そういう答えが返ってくるだろう、と私はぼんやり思っていたのです。
この私の発想は、自国が平和であるという証拠です。
私と彼女とでは、生きるための深刻度が違いました。
同じ国で、同じように働いて、同じように勉強していても、私は平和ボケをしているのだとこの時にはっきり認識しました。
自分には当たり前すぎて気づきませんでしたが、自国が平和であることは、それだけで大きな価値なのです。
帰国後、日本企業に就職
私は事情があって急遽ロンドンから帰国することになり、残念ながら彼女とはそれきりとなってしまいました。
しかし私はそれからというもの、彼女から受け取った以下の気づきをずっと大事にしています。
- 平和な国に生まれたというだけで幸せなのだ、ということ。
- どんな環境でも希望を持って進む人間はかっこいい、ということ。
会社員としての仕事はハードでしたが、彼女のおかげで毎朝自分のデスクと椅子がある職場に喜びを感じることができました。
そして、誰と比べることなく、希望を持ってたくましくこの世を泳ぐ彼女の姿勢は、今でも私の人生の指針となっています。
今後も現状に感謝しつつ、私も彼女のようにしなやかに生きていきたいなと思います。
まとめ
以上、ロンドンで私が出会った新しい価値観についてご紹介しました。
私が皆さんに強くお伝えしたいのは、
自分が恵まれていることを知り、目の前の幸せに気づこう
ということです。
私も30代前半までは特にやりたい仕事ではありませんでしたが、彼女の価値観に触れたおかげで、椅子に座って仕事ができるありがたみを認識することができました。
皆さんの周りにあるもので、当たり前すぎて気づきにくいけどありがたいことはありませんか?
今ある幸せに目を向けてみようね。
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